■ 【大麻オイル】


通常、医療大麻の使用には処方箋が必要となり、各地域的な法によって販売方法が異なります。医師の指導の下、正しく使用される必要があることをご承知おきください。

大麻草から採取できる「有効成分」には主に2種類あります。1つは、茎や種子に含まれるカンナビジオール(CBD)、もう1つが、葉や穂から抽出されたテトラヒドロカンナビノール(THC)です。茎や樹脂から抽出したカンナビジオール(CBD)は日本でも規制対象外なので健康食品として流通しています。また、私たちがイメージする「大麻(マリファナ)」は後者のテトラヒドロカンナビノール(THC)のことで、幻覚作用や多幸感をもたらします。

★ [カンナビジオール(CBD)]


カンナビジオール(CBD)には様々な健康メリットがあると言われていますが、「ドラベ症候群」や「レノックス・ガストー症候群(LGS)」など、難病とされている「小児てんかん症(けいれんを何度も繰り返す病気)」の治療に有効だと言われています。また、カンナビジオール(CBD)には不安を鎮める効果もあるとされ、不眠症に悩んでいる人に、質の高い睡眠を提供できる可能性もあるとされ、就寝前にカンナビジオール(CBD)オイル入りの紅茶を飲んだりする人が増えています。

★ [テトラヒドロカンナビノール(THC)]


テトラヒドロカンナビノール(THC)には、陶酔作用があります。人間の身体にはカンナビノイドが作用する2種類の受容体(CB1、CB2)がありますが、テトラヒドロカンナビノール(THC)は、この2種類の受容体の内、脳内に多く分布するCB1との親和性が高く、精神作用性が高いと言われます。

精神作用性が高い分、日本においては、大麻取締法が規制し、含有されるテトラヒドロカンナビノール(THC)は麻薬及び向精神薬取締法の規制により、医療目的であっても禁止の対象となっています。しかしアメリカにおいては2012年以降州によって、カナダにおいては、2018年10月には嗜好品としての大麻の所持・使用を合法化した結果、合法的なものとなっています。臨床検査においては、痛みの緩和、吐き気を抑える、けいれんを抑える、食欲の増進の他、記憶形成や情報処理の改善につながるという結果が得られています。中でもアルツハイマー病の治療に有用と言われています。

マリファナにも含まれる成分であることから、一般的には「テトラヒドロカンナビノール(THC)=悪、有害」といった文脈で語られてることが多いことも事実ですが、医療大麻の最先端では、医師の指導の下、正しく使用された場合、過剰摂取による死亡報告はなく、この点はアルコールやニコチンよりも安全性が高いと言われています。